広告から切り崩されるリベラル紙

本日の毎日新聞にケント・ギルバード氏が推薦する書籍広告が大きく掲載されていた。いずれも右派翼賛誌『WiLL』や『Hanada』の常連文化人だ。朝日や東京新聞などと同様、「リベラル紙」に位置づけられる毎日新聞は情報公開の分野などで一歩先んじる報道を続けているが、新聞経営の厳しさから生じることなのか、自社の主張方針と真逆の書籍、雑誌の広告を掲載するという事態がすでに日常風景化している。

先日、沖縄県紙の一角を占める沖縄タイムスに、『WiLL』と『Hanada』の雑誌広告が大きく掲載されているのを見て、たいへんに驚いた。いずれも同紙とは対立する雑誌にほかならないのに、そうした広告を載せなければならない経営事情が推察されたからだ。背に腹は代えられないということかもしれないが、言論をつかさどる媒体としては、残念だ。こうしてリベラル紙の読者にも必然的に、右派論壇誌の荒唐無稽な主張が「拡散」されていく構造となっている。

日本の言論界が、足元から切り崩されている一つの証左である。

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