「韓日新時代の元年」に

8日付日経新聞によると、昨日、韓国の朴大統領は安倍首相との電話協議で、昨年末の従軍慰安婦をめぐる日韓政府間合意について、「合意の精神にそぐわない言動が報道されて被害者が傷つかないように留意し、管理することが重要だ」と安倍首相に注文をつけ、「今年を韓日新時代の元年にしたい」と述べたという。この合意を巡っては、ソウルの日本大使館前の少女像の撤去が日本政府が出す10億円の前提条件などといった日本政府側の見解が報じられた一方、韓国の市民団体は「世界中に慰安婦像をつくる」と発信するなど、すでにかみ合わないものになっている。合意をめぐって、日韓双方の思惑は明らかに異なるように見えるものの、朴大統領の2016年を韓日新時代のスタートにしたいとの思いは、尊いものだ。
かつて金大中大統領(当時)が来日した1998年にも「韓日友好の新時代」とうたわれた過去がある。その流れは永住外国人への地方参政権付与法案の国会提出、日韓共催のサッカーワールドカップの実現、韓流ブームなどへつながっていったが、いつしか「嫌韓」が流行語になるほどに尻すぼみとなった。時代をもう一度、逆に戻さなければならない。

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