立憲民主に票とられ焦る共産

私が社会新報で働いた93年から96年の間に、日本社会党は消滅した。96年はじめに社会民主党へと党名を変更したからである。その前に村山首相が一夜にして自衛隊合憲に転じたことで、支持者から多くの批判をあびた。社会党が失った票はそのまま共産党に流れた。その証拠に97年の都議選で共産党は過去最高の26議席を獲得。翌98年の参院選でも過去最高の819万票を叩き出している。いずれも自助努力の結果というより、革新他党の目減り票を吸収した結果にすぎなかった。

今回の選挙戦では、これと逆の現象が起きているようだ。これまで幅広い主義主張を包含する政党として批判もあった民進党が、今回左右に分裂する格好となり、左の立憲民主党が共産党票の受け皿になったからだ。もともと共産党と社会党は近親憎悪からか仲が悪い。そのため革新票は、はっきり社会党系と共産系に分かれる傾向が強い。必然的に、反共産の政権批判票の有力な「受け皿」として、立憲民主が浮上したというわけだ。これには同党関係者も予想を超えた状況なのかもしれない。

その結果、共産党が焦っている。今日付の「しんぶん赤旗」に登場した「赤いきつね」こと小池・総選挙闘争本部長(書記局長)は、「わが党の運動は、本格的にはこれから」「選挙戦は始まったばかり」と、不自然な訴えを繰り返している。さらに別の記事では相も変わらず、「日本共産党は、1922年の結党以来95年、一貫して反戦平和の旗を掲げ続けてきました」などと、大ウソのプロパガンダを党内向けに繰り返している。

やはり主張に重大な虚偽がまじっている政党はそもそも信用することなどできない。こんな政党が日本にいまも根づいているのは、日本のガラパゴス化現象の最たるものと思えてならない。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。