共産党は「ブレない党」か?

今日付の「しんぶん赤旗」によると、共産党の志位委員長は3日の中央委員会総会で、いまわが党に対して、「ブレない党」「筋を通す党」といった評価が寄せられていると自画自賛したそうだ。はたして本当に共産党はブレない政党といえるのだろうか。

確かにこの5年とか、10年という短期スパンに限定して過去を振り返れば、そのような評価も可能かもしれない。だが同党は1922年から始まり、すでに今年で95歳となる政党である。ブレたかブレていないかという問題も、その長いスパンで判断しなければ、中途半端な宣伝にすぎなくなるだろう。

結論をいえば、この政党は、あらゆる分野でブレまくりの政党である。要するに志位委員長の発言は、事実と異なる虚言にすぎない。

第1に、日本共産党はコミンテルンの日本支部として結成され、スタートした。要するにソ連共産党の手下として結成されたわけだ。だがいま同党は「自主独立の党」などと主張している。これは180度、ブレた証明だ。

第2に、戦後まもなく、同党はいまの日本国憲法9条に対し、これではだめだと最初に主張した政党である。要するに当時は改憲の急先鋒だったが、いまは何と言っているか。「憲法を守れ」「9条を守れ」だ。これも180度、ブレた証明である。

第3に、戦後の一時期、同党は、火炎瓶を警察署に投げつけて焼き打ちにしたり、山村工作隊なる部隊をつくって地方に派遣したりするなど、武装革命を狙った時期がある。要するに革命のためには「暴力」もいとわないという態度をとっていたが、いまは「平和の党」を自称している。これも180度、ブレた証拠である。

第4に、かつて共産主義国は日本共産党にとって、すべて「兄弟」の間柄であった。それはソ連共産党も、中国共産党も、朝鮮労働党ともなんら変わらない。兄弟党のよしみで、北朝鮮に多くの在日朝鮮人を送還する尖兵役となったのが日本共産党だ。だがいまの同党は北朝鮮とは赤の他人のふりをしている。これも180度、行動がブレた証拠だ。

第5に、かつての同党は、アメリカの核実験は許されないが、ソ連の核実験は容認するという態度をとっていた。いまはすべての核兵器を禁止すべきと主張している。これも同等の態度が180度、ブレた証拠である。

第6に、原発に対する態度も同様だ。ソ連がアメリカよりも先に原子力発電の実用化に成功した際、日本共産党はそれを手放しで礼賛し、まるで魔法の国が現出するかのように描いてみせた。いま同党は何と言っているか。「原発ゼロ」である。これも同党の態度が180度ブレた証拠といえよう。

以上のように簡単に挙げただけでも、日本共産党という政党が、ブレにブレてきた政党であることがおわかりいただけよう。

ただし補足として、同党が1922年から一貫してブレていないことが一つだけある。それは日本を共産主義化する野望を、いまだに捨てていないという事実である。同党がブレていないという意味で誇れることがあるとするならば、私の知る限りそれだけである。

だが同党は「日本国共産化」の理念・野望を、選挙の際も有権者にアピールすることのない、できない政党なのである。自身の存在目的を公に主張できない、情けない政党である。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。