元職員3人が属した「足軽会」の実態 3   100メートル圏内に固まって住む

 足軽会の組織図というものがある。それによると、足軽会の会長はXではない。実質的な中心者であるXはあくまで表に出ない形で、裏から操る立場にいたようだ。こうした姿をみて、私は過去に取材したことのある、心理学上における一つの類型と共通する傾向を感じ取った。その類型は人の弱みにつけこんで相手をコントロールする術にたけていて、独りよがりの行動をとることでも知られている。
 それはともかく、彼らの生活実態を調べてみると、たいへん興味深い事実が見えてくる。現在、Xの自宅(川崎市)を中心に、メンバーらが寄り添って暮らしているという実態についてだ。
 彼らはいずれも100メートル圏内(時間にして徒歩3分以内の距離)に住んでいて、いつでも集まれる範囲内にいる。いずれもXの自宅の周辺に、後から次々と引っ越してきた形だ。また元職員の3人は、教団を解雇されたにもかかわらず、Xの周辺に「持ち家」を購入している。私はこの状態を見て、新興宗教などに象徴的に見られる、一種の≪疑似家族集団の形成≫に近いのではないかと考えた。
 3人は今もXの強い影響下にあることはほぼ間違いない。これらの居住実態の現実に加え、それに類似する証言はほかにもある。まず彼らは同じような髪型をしていることが特徴的と指摘されている。彼らの写真を雑誌メディアなどで見たことがあるが、判で押したようなベッカム・ヘアが特徴だ。聞いてみると、その理由はXが同様の髪型をしているからであり、3人はその模倣をしているにすぎないらしい。さらに服の色についても、同じような好みで共通しているという。これは彼らの内面世界を映し出す言動として、興味深いものだ。
 私が「足軽会」について、カルト的な側面があると指摘するのは、上記のような理由を含んでいる。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。