都合の悪い事実には決してふれない不破講演

日本共産党が創立95周年を記念して行った不破・志位のツートップ講演会。本日付「しんぶん赤旗」に不破元議長の講演が全文掲載されている。いつものことながら、党史において「都合の悪い真実」はすべて捨象され、あるいは捻じ曲げられ、95年間がいかに素晴らしい歴史であったかのように「演出」されていることは言うまでもない。

例えば、戦後の憲法制定過程において、「『国民主権』を憲法に明記せよと最初から主張したのは、日本共産党だけでした」と不破氏は自慢する。それでいて、共産党は日本国憲法の法案審議において、唯一反対した政党である「真実」にはまったく論及していない。要するに、不破氏は、都合の悪い事実はすべて省いて自画自賛しているにすぎないのである。

また1960年、共産党の世界会議が81カ国の党が参加して行われた史実について、「自主独立の立場をとった党は日本共産党だけでした」と不破氏は強調する。要するに、わが党はソ連共産党からは当時からすでに独立していたと言いたいようである。だが翌年、ソ連が大規模な水爆実験を突然始め、被爆国の日本国内で非難轟々となったときに、いち早くそれに賛意を示したのはまぎれもなく日本共産党だった。要するに共産党は当時は間違いなく、≪ソ連バンザイ同盟≫(柳原造語)の一員にすぎなかったのである。

歴史を後になって振り返れば、自分の都合のいいように歪曲・改竄するのは、やろうと思えばできることかもしれない。だがそれらはいずれも、圧倒的な「事実の山」によって、崩されることになることも疑いようがない。不破氏は心ある人々による事実提示のもとに、将来、党史を捻じ曲げて自己宣伝を繰り返し、結果的に党の名誉を傷つけたとして、死後、党を「除名」される事態になるだろうと私は見ている(私はこの主張をすでに15年前から行ってきた)。

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